突然の末期がんの宣告に、(ふざけたような)悪魔が寿命の取引にやってくる。
世界から何かひとつ消す事で、1日寿命を延ばしてくれるという。
最初に取引したのは「電話」
電話の消えた世界で、人は穏やかな時間を過ごす。もちろん不便さもあるのだけれど。
次に消えたのは「映画」 そして「時間」
自分の命と引き換えに、世界の何かを消していきながら、彼は世界にいらないものなどないんだと
気がついていく。最後に悪魔は、「猫」を消すことを持ちかけるけれども、彼はこれを拒否する。
家族の生活とともに生きてきた猫を消すよりも、自分の「死」を受け止める。
そして、長い間断絶していた父親に遺書を書いて、自分の手で届けに行く。
大切なものは無くさないと分からないというけれど、分からないままでいるよりも、わかっただけで
も、その存在は意味のあるものになる。たとえそれが、生の終焉間際であったとしても。
でも、本当は、そんなギリギリじゃなくて、日常の中で気がつくことができるのなら、それにこしたこ
たは無いよね。
自分を生きていくだけでは出逢うことの無い人生の一部を 「本」 は伝えてくれているような気が
するんだ。
著者 川村元気
0 件のコメント:
コメントを投稿